
驚きの探偵小説
柴崎友香さんの「帰れない探偵」。
すごく面白い女版ハードボイルドですが、それだけじゃない。なんとも言えない今まで読んだことがない新しいジャンルの探偵小説でした。
はまること間違いなしです。
あらすじ
世界探偵委員会連盟に所属しているわたしは、急な坂の街で与えられた仕事の調査をしていたが、ある日突然自宅へ帰れなくなった。
何度探してもいつもあった場所にない。
周りの景色はそのままなのに、自分が借りていた部屋の建物がない。路地の入口が見つからない。
探偵事務所兼住居を失ったわたしは、世界中の様々な街を渡り歩き仕事の依頼を受ける。
雨でも傘を差さない街、夜にならない夏の街、太陽と砂の街、雨季の始まりの暑い街。
そして「あの街」の空港へ。
感想
とても不思議な探偵小説です。こんな物語は読んだことがない。とても面白い!
最初から最後までずっーと面白かったです。
小説の雰囲気でいうと村上春樹のような…レイモンド・チャンドラーのような…
そのどちらとももちろん違うけれど、味覚、嗅覚が似ているというか。
孤独な女版ハードボイルドで、主人公の「わたし」が淡々と静かに人の繋いだ物語を読み解いていくところが魅力的でした。
自分が住んでいた部屋にある日突然帰れなくなる。
「今から十年くらいあとの話。」で章が始まる。
このふたつがもう、不思議というか驚きです。
「今から十年くらい前の話」ならよくあるけれど「今から十年くらいあとの話」って!
しかもこんなに不思議な設定なのに、しっかり世界観があり読んでいて違和感がない。それがまた不思議でした。
基本的には主人公がひとりで動き、探偵仲間や依頼者、一物抱えた人との出会いで物語が進みます。
探偵仲間や主人公でさえ突然いなくなったりもする。あの部屋のように。
揺らぎと不安定さを楽しみながら最後の1ページまで面白く読めました。
特徴的な世界の街も魅力的です。
決して住みやすいとか綺麗とか便利な街ではないのに、そこで暮らす人や食べ物、街に流れる時間が生き生きと瑞々しく描かれています。
本の中で国の名前は出てこないのですが、なんとなく「ここはあの国のあの街かな」と想像しながら読むのも楽しかったです。
主人公は仕事の依頼を調査しながら、次第に自分のルーツや今世界で起きている不穏な大きい力について思考が広がっていきます。
AIなどテクノロジーが進んだことで起こる不具合、地震、ウイルスによるパンデミック、政治的混乱、気候変動。
探偵が世界中で起きる不穏なできことに影響を受けながら、街から街へと彷徨うようにもみえました。
だけど、最後の章はちょっと感動です。
複雑にもつれていた紐がパッとほどけるような感動が待っていました。
続きが読みたい…続編出ないかなー。
あー読み終わっちゃったのかー…
とても面白かったです!
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