伊坂幸太郎「週末のフール」

数年後に小惑星が衝突し、地球滅亡の未来が確実に来るとしたら。

コロナというウイルスで大混乱を経験した今の私たちなら、少しリアルに想像できるかもしれません。

ウイルスどころではない、すべての人間が短時間に消えてなくなる未来を。

奪い合い殺し合い、絶望で自ら破滅する。

それでも生き残った人々の中に芽生える幸せのかたちとは。

あらすじ

八年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する。

どうやっても避けられない絶望の予告をされてから五年。

最初のパニックが過ぎて落ち着きを取り戻しつつある仙台の団地「ヒルズタウン」にも、生き残った人々の暮らしが育まれていた。

荒れ果てた街でも生きている限り生活は続く。

喧嘩別れした家族の再会があり、新しい命の選択があり、過去の復讐もある。

やり残したことを遂げようとする者。信念を持って暴動前の生活を続けようとする者。今いる周りの仲間で新しい家族を作ろうとする者。櫓を建てて世界の終わりを見物しようとする者。

絶望に生きるだけでは終わらない。

残りわずかとなった人生の中で、光を模索する人々の物語。

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感想

働く意味や学ぶ意味、生きる意味をすべて失った人々の暴走。

今でいう「無敵の人」が世界中に溢れたら…怖すぎますよね。

自分が生きるためなら人の物も命も奪えるようになってしまう恐怖。

そんな世の中に絶望して生きることを自らやめてしまう人々もいて。

自らの意思で破滅を早めてしまう人々の怖さが際立つからこそ、そうではない人々がより輝いて見えるのでしょうか。

その荒れ果てた世界でも生き残った人たちは、一見普通の平凡な人でも多分本当はそうじゃない。

芯の強さを持っている。

世界の終わりだけじゃなく、それ以外の苦難も抱えてもなお生き続けるたくましさを持っている。

それでも今日を生きて明日を生きようとする人。かっこいいじゃないですか。

もしかしたら世界の終わりなんか来なくても、最初からそんな設定がなかったとしても、今を生きている人は多分かっこいい。

と、世界の終わりを見せつけられた後、読み終わった後で感じました。

伊坂さんの本はヒーローが身近にいることを、または自分自身であることを教えてくれる気がします。

 

絶望の中に輝くハートフルな物語。

面白かったです!

実は再読でしたが、初めて読むような感覚でドキドキしながら読めました。

 

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